上手くなりたいという競争心でピリピリしていた職場 中学卒業後、大手家具メーカーに就職しましたが、家具の部品だけを作り続ける機械的な作業に満足できずに椅子徳製作所へ転職、今年で45年になります。創業したばかりで社員はまだ5人。当時は先輩の作業を見て学ぶという職人の世界でしたので、間違えば怒鳴られましたし、時には徹夜になるような忙しさの中で、どうすれば上手く仕上げられるのだろうと考え続けていました。 そうした緊張感のある環境が「もっと上手く」「もっと早く」と技術力を磨かせたのだと思います。誰よりも早く先輩のようになりたいという激しい競争心がありました。 今の職人に求められるのは横のつながり現在は若い職人をサポートする立場です。オリジナル家具の開発は各部署の連携が大切ですので、特注家具を作る縦割りの組織から横につながった組織へ変化しなければいけない時期。私たちの頃と比べると今の若い職人のマイペースで淡々と仕事をこなす姿勢に「気持ちが甘いんじゃないか?」と思うこともありますが、新しい組織づくりのために一歩下がって広い視野を持って支えるようにしています。 見せて学ばせるより丁寧に技術指導する時代へ変わりましたが、先輩がたが私を育ててくれたように私も若い職人の成長を支えたいと思っています。 2017年8月現在の内容です。 Tweet