Youtubeのチャンネル登録者数が約12000人(2024年8月現在)、170万回再生の動画「最強ソファ教えます」を筆頭に半数以上が1万回以上の再生数を誇る、国内家具店の中でも屈指のチャンネルを運営するのがライムズデザインスクエアの平塚社長です。
1938年創業の平塚家具を2020年に引き継いだ3代目。現在は本店である「ライムズデザインスクエア」のほかに、「ライムズ ファニチャーワークス美濃加茂店」、「ライムズ ライフパレット モレラ店」の3店舗を展開しています。
「ライムズデザインスクエア」は書店、イタリア料理店を含む12のセクションに分かれており、国産メーカーからヨーロッパのブランドまでカバーし、ここに来れば全てが揃うと思わせる構成になっています。
Youtubeチャンネル「ライムズインテリア雑談」をスタートした2020年8月当時は、アウトドアなどに比べて家具に関するチャンネルがまだ少なく、家具の実物が数多く揃っており、かつ日々の営業の中から生まれる話題も尽きないことから、「しゃべりだけ頑張れば」チャンスがあるのではないかと始めた動機を振り返ります。
スタートしてからご自身で撮影、編集を学びながら、毎週必ず動画を1本公開すること半年、そして2週に1本の公開を2年半続けたそうです。2021年にイストク本社を取材をしていただいた際も、お一人で機材を詰め込んだクルマを運転して徳島まで来社いただいたのを思い出します。
かねてから現代の小売店の役割を「作り手と使い手の架け橋」であると考えていたという平塚社長は、Youtubeにおいても「ウケは狙わない」、「売り上げだけを追わない」、「自社だけ得をしない」などの矜持を大切にし、作り手やデザイナーの魅力を伝えつつ、お客様にもメリットのあるコンテンツを現在まで作り続けています。
女性スタッフ6割。
セールに頼らない確かなモノしか置かない売り場作り。
社内では女性スタッフの比率を6割まで高めるなど大きな改革を進めるほか、売り場の運営をトップダウンから、フロアリーダーが仕入れから展示、販売までを一貫して担当することでスタッフ自らが積極的に取り組むようになり、各フロアが変わったと言います。
これはスタッフ自身が選んだ商品を責任を持ってお客様に伝える努力に繋がり、セールや商品入れ替えに頼らない売り場作りが進められた成果で、オリジナルアパレルやオリジナルのレザー製品などの小物開発がスタッフ主導で行われているとのこと。
実際の売り場を見ると何でも揃っているようですがよく見ると確かなものしか置いてない売り場になっているのが分かります。ハープ ダイニングテーブルとチェアが明るい空間に美しく見える角度でゆったりと配されていました。
取材当日、平塚社長のYoutubeチャンネル収録に立ち合わせていただくと、イストク代表の鷺池から家具職人としてのこだわりや製造技術の詳細を引き出し、分かりやすい言葉へと巧みに変換する力に驚かされました。
カタログスペックやルックスだけでは魅力を伝えきれない家具メーカーとお客様の間の翻訳家のような振る舞いは、まさに「作り手と使い手の架け橋」。今は店舗数や売り上げではなく、より良い社会へ発展するために何をすれば良いのかに興味があると漏らす平塚社長の家具店という枠組みにとらわれない活動が楽しみです。
Info
ライムズデザインスクエア
住所 岐阜県大垣市墨俣町二ツ木209
電話番号 0584-62-5026