約60の取扱店があるイストクはなぜか、この大都市での取り扱いがなかった。
その中心地に2月末、イストクの家具が並ぶと言う。
イストクのデザイナー山田は福岡市天神の「KaILE」に向かった。
天神駅から歩いて数分の「BiVi福岡」は家具やインテリアのショップが15店ほど入るショッピングモールで、その1階と2階にKaILEはある。
「ここは福岡で家具を選ぶなら一度見ておこうか、というモールなんですよ。」
マーチャンダイザーの高津さんが話してくれた。
アクセスが良いため、九州中から買い物がてら家具を見に来るそうだ。
ビルの周辺にも有名家具ブランドやインテリアショップが立ち並ぶ。
「だから他のお店と同じものを置かず、違った店づくりを心掛けています。家具は天然木で温かみを感じる国産のものを中心に選定しています。」
店内はウォールナット、ブラックチェリー、オークで整い、どのエリアも長く使えるスタンダードな家具が上質感が漂わせている。
「もう一つ上のランクの家具を探していた2018年、イストクに出会いました。でも当時のKaILEとしてはまだ早いかな、と。オークがないことも二の足を踏んだ理由でした。」
そう、イストクの白木といえばホワイトアッシュ。かねてよりオークのご要望は多く、2021年の新作からオークを始めた。
「今はKaILEで扱う家具の価格帯も上がり、イストクがオークを扱い始めた。丁度良いタイミングですね。」
この2月に「HARP」のダイニングセットがウォールナットで、「VIOLA」のフルアームとセミアームチェアがオークで並ぶ予定だ。
なぜイストクを選んだのだろうか?
「鷺池さんの人柄と熱量。イストクの家具にも、鷺池さんのお話にも、職人さんたち作り手の丁寧さまで見える温かみがあります。」
高津さんにとって、家具も人も「温かさ」が大事なのだ。
そう気づいて店内を見渡すと、照明の当て方から家具や小物の配置まで、落ち着いて過ごせる空間づくりを感じられた。
イストクの家具が来るのを高津さんも、スタッフの方々も「すごく楽しみ」と話す。
「家具が届いたら、勉強会しに来ますよ。」
同行した鷺池氏が口を開いた。
「徳島からは東京と福岡だけに飛行機がとんでますから。」
売り場の方がイストクの魅力を理解してくれていれば、必ずお客さまに伝わる。
「機会があれば、スタッフのみんなで工場に遊びに伺いますね」
高津さんに伝わったイストクの「熱」が今後どのように伝播していくのか?
HARPやVIOLAがお店に並んだ頃、勉強会をかねてまた訪れたくなった。
取材・文 山田佳一朗(KAICHI DESIGN)
Info
KaILE
福岡市中央区渡辺通4-1-36 BiVi福岡 1F・2F
092-736-0262
取扱いアイテム
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