自身が欲しいと思う家具を置く
オープン22年目を迎えた澪工房さんは、イストク取扱店としては最北の札幌にあります。カンディハウスの東京店などで長く家具に携わった代表の南さんにより設立され、現在では家具販売だけでなく、造作まで任せられるオーダー家具店に発展されています。
木質感があり
シンプルなナチュラルテイスト
目立たなくてもよく
人間が主役、家具は脇役
今でも変わらないというこれら基準に加えて、南さん自身が欲しいと思う家具をお店に置くことが当初から変わらぬ信条とおっしゃいます。
「『買えるもの』を基準にすると他店との価格勝負になってしまいます。『自分が欲しい家具』でしたら、私の他に100人位は欲しいと思ってもらえるのではないかと考えました。」
長きに渡り家具のメーカー、卸、小売の各分野で経験を積まれた南さんならではのこだわりは、工房にも現れています。
お客様から職人たちの手元を隠さず、家具を制作する姿が見える開放された工房を設えました。飲食店のオープンキッチンから着想を得たこの見える工房は、お客様から信用を得る一助になっているのではないでしょうか。
また、家具に対する真摯な姿勢を物語のように読むことができるホームページにも魅力とこだわりが詰まっています。
きちんとしたイス屋
南さんのイストクの印象は、「きちんとしたイス屋」。「その技術力がテーブルにも反映されています。展示会で構造見本を見て、『こんなに手の込んだことをやっているメーカーがあるのか』と驚き、声をかけたのがきっかけです」。翌年には全スタッフで工場見学にいらしていただき、お取り扱いが始まりました。
販売だけでなく、工房を併設する澪工房の男性スタッフさんは図面を描き、造れるといいます。同じ作り手同志だからこそ、イストクの工場をご覧いただいたことでより伝わったものがあったのでないでしょうか。
2020年9月には南さんがかねてから温めていたという展示会「徳島の家具 イストク展」を催していただきました。
「IFFTのような販売店向け展示会を再現する形で、多くのイストク家具を見てもらい、体験してもらうための展示会です。一般の方だけでなく、地元の若い建築家にも来てもらえるように、「建築家向け」と加えて、会期を平日にも設定しています。」
その狙いも当たり、会期中には建築家、工務店さんから貴重なフィードバックをいただくことができました。
盛況だった展示会の様子は、デザインを担当するカイチデザイン・山田佳一朗さんのレポートをご覧ください。
取材 山田佳一朗
文 横田茂(Afterhours)
Info
澪工房
住所 札幌市白石区東札幌2条4丁目8-18
電話番号 011-816-6797