地下鉄茅場町駅から徒歩5分のオフィス街に店舗を構える家具店「リグナ」さんは、「世界中にときめく空間をつくる」をテーマに国内外の優れた家具を厳選しています。2004年にネット通販からスタートし、拡大移転を繰り返しながら2013年から現在地に落ち着いた同店で、バイヤーの鮎川さんと部長の村野さんにお話を伺いました。
「使い心地」を伝える
家具をセレクトする基準の一つが「実用性」。特にイスに関しては見た目の美しさはもちろんのこと、「座り心地」を重視します。
「お客様が椅子を選ぶとき、脚の長さや座面の高さを優先して判断するケースがありますが、本当に大切なのは座った時の心地良さです」と鮎川さんは話します。
「脚をカットして欲しいというご要望をいただくこともありますが、座り心地が変わってしまうことが多く、デザインも崩れてしまいます。そういった場合は、例えばスリッパを履いていただくだけで調整ができることをお伝えすると、多くのお客様に納得していただけています。」
店内では、お客様に実際に使う感覚で体験してもらうことを大切にしており、3階には靴を脱いで家具を体験できるエリアも設けています。「最初は面倒だと思われるお客様もいらっしゃいますが、徐々に慣れていただき、ネット販売だけでは伝わらない使い心地を直接感じていただいています」と村野さんは話します。
語れることが多いイストクの家具
バイヤーの鮎川さんとイストクのデザイナー山田氏は旧知の中。展示会で久しぶりの再会から「イストク」のお取り扱いが始まりました。
「イストクの『HARP』シリーズのテーブルとチェアは特に人気があります。イストクは派手でなく、深みのあるデザインが特徴だと思います。HARPテーブルの短手の木取りや波フィンガーなどの線の美しさ、反り止めに金属を使わないなどの職人の技術とこだわりなど、木を巧みに加工して強度と美しさを両立させる職人の技術が光るイストクの家具には、語れることが多く、魅力にハマる方が多いです」と村野さんは話します。
プロの作り手を伝えるプロの売り手、語り手でありたい
リグナさんが大切にしているのは、「製作者と使用者をつなぐ」という役割です。「受信力と発信力」を重視し、作り手の想いをしっかりと理解した上で、プロダクトに失礼にならないようお客様に伝える能力を磨いているといいます。
「売る側が作り側を理解していないと、本当の価値は伝わりません。だからこそ、私たちは作り手に直接質問し、その答えを自分の言葉で伝えることを大切にしています」
「家具は実際に見て、触れて、座って初めてわかる魅力があります。それをネットでも店舗でも同じように伝えられるよう、日々情報発信の質を高めています。プロの作り手を伝えるプロの売り手、語り手でありたいと考えています」と村野さんは付け加えます。
プロからも認められる目利き力
2004年にネット通販からスタートし、その後実店舗を展開していったという独自の経緯を持つ同店。
「家具は実際に見て、触れて、座って初めてわかる魅力がありますので、オンラインでは当初からスペック以上のことを説明できるように注力しています」
また、2010年から毎年コンスタントに話題のテレビドラマや映画の中の家具や小物などインテリア全般の美術協力を積極的に行うことで各メディアでも注目され続けるなど、プロからも厚い信頼が寄せられています。
ネットでの家具選びに疲れたら、リグナさんのショールームで様々な家具の魅力を実際に体感してみてはいかがでしょうか。靴を脱いでくつろぎながら、プロの売り手が選んだ家具との出会いをぜひお楽しみください。